アルミ鋳造合金の広応力3軸度域における延性破壊特性

摘要

本研究では，これまで評価されていなかったアルミ鋳造合金A356における応力3軸度-1/3から+1/3を含む広範囲な応力3軸度での延性を評価する．また，報告済みである低圧鋳造アルミ合金における広応力3軸度域での延性破壊特性結果との比較をおこなうことで，成形手法の違いによる破壊特性の変化を把握することを目的とする．具体的には，応力3軸度が0.3より大きい範囲では，平滑引張試験片とノッチ付引張試験片を用いて引張試験をおこない，応力3軸度-0.3から+0.3の範囲においては，バタフライ試験片を用いて破壊特性を取得し，報告済みである低圧鋳造アルミ合金での延性破壊特性結果と比較する．さらに，各応力3軸度域で破壊させた試験片の破面を比較し，成形方法に起因する材料の微視構造の違いと破面の違いを定性的に比較する．