地球環境問題解決に寄与する技術開発を目指した研究開発の取組: 持続可能な循環型社会を実現のための基盤技術開発

摘要

熊谷組筑波技術研究所は，1988年に茨城県つくば市の地に建設会社の技術研究所として開設された．建設会社の主たる事業は，建築および土木に集約される．技術研究所では，それらの事業を下支えるコンクリートなどの材料の開発，建造物の強度評価試験や住環境の快適化技術など基礎技術を中心として研究開発に取組hでいる．そのなかにおいて筆者の所属する地球環境研究室は，公害対策技術などを起点に環境問題に対応した技術開発に長年取組hできた．2018年7月に筑波技術研究所設立30周年を迎えるにあたって，組織改編および人員補強が進められた．それを機に，地球環境研究室の役割を「地球環境問題解決に寄与する技術開発による社会貢献」と明確化した．CO_2排出量削減·持続的循環型社会の実現に向けた基盤技術を開発することを目的としている（Fig.1）．建築および土木といった建設会社の事業と直結はしないものの，近年，国際的に認知されている持続可能な開発目標（SDGs）の観点から重要視しており，技術研究所としても注力している．本編では，持続可能な社会を実現するための環境関連技術について，当研究室の取組事例をいくつか紹介する．