低速大型ディーゼル機関搭載船の加速性能改善について

摘要

低速大型ディーゼル機関搭載船において，過大な振り振動応力から軸を保護する為にバードスピードレンジ（BSR：Barred Speed Range，連続運転禁止回転速度範囲）設けられるケースが多く，機関回転速度はこのBSRを速やかに通過できることが望ましい．しかしながら近年，速やかな増速ができずBSR通過に30秒以上かかりBSR停滞警報が発生するといった，加速性能に関する報告が増加している．この背景として，低燃費を目的としたディレート機関の採用やEEDI（Energy Efficiency Design Index）の削減の為，船体の大きさに対して相対的に出力（トルク）の低い主機が搭載される傾向にあることが挙げられる．（表1）