主機クランクケース内のオイルミストレベルのトレンド調査：軸受摩耗時のオイルミスト発生現象の検証と実船におけるオイルミストトレンド計測

摘要

現在，主機関用のオイルミストディテクタは断続的にオイルミスト濃度を計測し，計測値が規定値を超えた際に警報を発令，その状態が一定時間続くと自動減速する様，各種警報，保護装置と繋がれ使用されている．上記規定値は各オイルミストディテクタメーカの経験によって主機最大出力時のオイルミスト濃度の凡そ3～4倍と設定されているが，この規定値の根拠となるバックデータおよび知見は十分に得られていない．本研究においてはこれまで経験的に知られていた軸受損傷時のオイルミスト濃度の上昇現象を摩耗試験機により実証した．加えてオイルミスト濃度のトレンド計測システムを新造船に搭載し，様々な操船状態におけるオイルミストトレンドを計測し解析することで，より早いタイミングで主機不具合を検知する為の知見を得た．