硫酸水溶液中でのポリアミドの腐食劣化に及ぼす分子量の影響

摘要

ポリアミドを硫酸水溶液に浸せきすると，加水分解反応によって分子鎖の切断が起こり，材料表面近傍にき裂が発生する．これが原因となってポリアミドの強度が低下し，き裂の成長にともなって破壊じh性は低下する．硫酸水溶液に浸せきしたポリアミドの平均分子量と破壊じh性との関係は良好な相関性を示し，両者が直線関係で近似できることが明らかになった．　 ポリアミドの強度の低下について，線状高分子のからみ合いが形成された3次元ネットワーク構造モデルを用い，計算にようて平均分子量と曲げおよび引張強度との関係を求めた．得られた結果は実験結果と対応し，平均分子量と強度との関連性が明らかになった．さらに，強度と平均分子量の関係は初期分子量の大きさにかかわらず，同一のモデル式で整理できることが明らかになった．