前キャリアが今に生きること: 第3回　研究職から薬剤師?大学教員へ転身

摘要

私は薬剤師になる前は大学の化学系学部に入学し，大学院修士課程を経て化学系企業に就職した.実は父親が薬剤師であり，実家が薬局であったため，薬剤師という職業については漠然とは理解していたが，同時に新しいものを研究開発したいという願望もあり，化学系の研究職としてのキャリアをスタートさせた.大学では金属酸化物触媒による光触媒作用を研究した.光触媒といえば酸化チタンが有名であり，その強力な酸化力による抗菌?殺菌を目的として，現在は医療施設の手術室や待合室?廊下などの壁面や天井?床などへのコーティングにより院内感染の防止に利用されている.大学ではバナジウム，ニオブもしくはタンタルが属す5A族金属酸化物を非金属のシリカ粉末の表面に担持される担持型金属酸化物触媒を調製し，アルケン炭化水素や一酸化酸素の酸化に関わる光触媒作用について研究を行った.