循環器疾患

摘要

本稿では循環器領域の薬を処方する際に知っておくベ き禁忌項目を概説するが，特に心外副作用を中心に述べ たい（表1)。患者が有する疾患による禁忌と併用薬によ る禁忌に分別して理解する必要があるが，患者情報と薬 剤情報の両方の理解があってはじめて重篤な副作用の発 生を防止できる。また，定期的に血液検査で凝固能を チェックし投与量を調節する必要がない，出血イベント が少ないなどの理由から，心房細動や下肢静脈血栓症の薬物治療において使用頻度が増加している直接経口抗凝固薬（direct oral anti-coagulant ； DO AC)の禁忌につ いても述べる。DOACは抗凝固療法における新たな選 択肢ではあるが，ヮルファリンとは禁忌が異なるため注 意が必要である。