知っておきたい各肺炎群の病態と特徴

摘要

罹患場所によって，市中肺炎，院内肺炎，医療?介護関連肺炎の3つの肺炎群に分類される。各肺炎群の死亡率は，市中肺炎6.3%,医療?介護関連肺炎15.5%,院内肺炎30.4%である。市中肺炎の原因菌は病原性の強い外来性の菌が多く，院内肺炎の原因菌は病原性の弱い常在菌（日和 見病原体）や耐性菌が多く，医療?介護関連肺炎はその中間に位置する。市中肺炎と比較すると.医療?介護関連肺炎や院内肺炎では耐性菌（MRSA, ESBL産生菌，MDRP など）が原因であることが多い。原因菌に占めるレンサ球菌の割合が多いのは，医療?介護関連肺炎が誤嚥によって引き起こされてい る可能性を示唆している。