やさしい鋳物の凝固時間の計算法（I）－クボリノフの法則（基礎篇）

摘要

鋳物の特性は、その凝固時間に大きく左右されますっ例えば金型に鋳造された小規模な鋳物は、数秒から数十秒で凝固が完了します。一方、大型鋳鋼のように数十トンにも及ぶ規模になると、凝固時間は24時間ないしはそれ以上に及ぶことも珍しくありませh。その結果、例えばデンドライトアーム間隔は凝固時間が数秒ではおよそ10μm、凝固時間が24hでは約1，000μmと大きな差が生じますっこのようなミクロ組織の変化は、デンドライト内部の有芯組織、デンドライト境界に生じる非平衡第2相（たとえば共晶相）、析出相の量、ポロシティのサイズや分布形態に大きな影響を及ぼします。この結果、凝固時間は材料の引張特性、じh性、硬さを左右し、更にはその後の加工性、および熱処理特性にも影響することは、材料技術者がしばしば遭遇する課題です.