PDMS光学系における新しいUV透過フィルター機構の提案－シリコーンオプティカルテクノロジーの材料展開

摘要

著者らは従来のガラスベースの光学素子と空間光路を利用した光学システムに対し，まったく新し光学機器のスキームとして共通媒質にポリジメチルシロキサン（PDMS）を利用したシリコーンオプティカルテクノロジー（SOT）を提唱している．SOTは主に光学システムの軽量·小型化·低価格化に有利な技術で，光路などにも積極的にPDMSを使うことで剛健で重量のある光学基盤を用いずにPDMS自体にフレームの役割と遮光筐体の役割を持たせ，光学モジュールの小型軽量化を容易に達成できる．さらに，モールド＆キャストによるシステムの簡易生産も容易となる特徴を持つ．著者らは2014年にPDMS（信越化学，SIM-360）を光路に利用し，カーボン分散剤（信越化学，KE-COLOR-BL）分散の黒色PDMSを併用し，レーザー蛍光測定のモジュールを作製したが，その際に内部反射が極端に抑えられ，レーザー迷光が非常に少ない図1に示すようなモノリシック光学系が実現できることを見いだした．