500系新幹線電車用アルミハニカム構体の開発～メーカー視点による話題から

摘要

本年は東海道新幹線が開業して50周年に成りますが，この半世紀にわたり新幹線電車の技術が発展する歴史の中で，開業時の技術開発を除くと，26年後の300系と，その後の500系における交流駆動システムの技術開発で300km／h以上の速度向上が可能と成り，欧州の鉄道技術と比肩するレベルまで劇的に進化しました．当初，500系は320km／hの速度を目標に開発されましたが，そのためには量産車で最軽量となるアルミハニカム構体の開発が必要でした．このアルミハニカム構体の開発は，メーカーにおける技術開発だけでなく，JR各社で開発された高速試験車へ参画することにより実証する機会が得られて完成しました．その後，この結果は500系新幹線電車用アルミハ二カム構体として実用化されましたが，構体構造をシングルスキン構造からダブルスキン構造へ転換する嚆矢となり，その後の新幹線電車では全てダブルスキン構造が継承されています．その後500系は8連の「500系こだま」（V編成）となり，山陽新幹線で運用される第二のステージに移りましたが，人々の記録と記憶に残る新幹線電車として鉄道史上で輝き続けると思われます．