「解析評価技術」：電気火災における電源コードの一·二次痕識別法

摘要

火災原因究明のための解析手法の一つであるセルサイズ法において，一·二次痕の識別に影響を及ぼす短絡痕の体積値を，研磨断面から球体または楕円球とみなし概算値で計測していた従来方式を見直し，比重測定などで使用される液中で秤量する「SGB (Specific Gravity of Beads)方式」を開発することによって，精度良く計測することを可能とした。 実際に，一·二次痕の識別精度を向上できることを実験で確認した。 セルサイズ法は，電気火災現場でしばしば見受けられる電源コード短絡痕の解析に使用することができ，手がかりの少ない現場状況においては原因究明に重要な役割を果すと考えられる。