循環流動層CFB技術による発電設備へのバイオマス燃料利用と実績

摘要

2000年以降に環境問題が注目され，とりわけ地球温暖化への対応が世界的に求められる傾向は，更に強い要求となっている。住友重機械工業株式会社は，循環流動層（以下，CFB）燃焼技術を用い，バイオマス燃料や廃タイヤ，廃プラスチック等の廃棄物燃料を石炭の代替燃料とした発電設備の提供を，現在の再生可能エネルギー固定価格買取制度（以下，FIT）の前身となる新エネルギー等利用に関する特別措置法（RPS法2002年制定）より開始し，RPS法下の初号機は既に13年間の安定稼働を継続している。バイオマス燃料等の利用には，限られた量の資源で目的の設備容量を実現するために，多種燃料の混焼技術の開発が必要であった。また，それらの燃料は，化石燃料と比較し安定調達の困難さだけでなく，性状の不安定さ，腐食性成分や異物混入など，様々な課題があった。更に，現FIT制度では，新電力事業に対して国内バイオマスだけでは燃料が足りず，海外バイオマスの利用や，大型化，高効率化が進められている。