6次産業化と出融資

摘要

農林漁業者が6次産業化に取り組むに当たり，資本の充実や，消費者の需要に的確に対応した商品開発等に関するノウハウの取得が課題となっている。このため，平成25（2013）年2月に開業した㈱農林漁業成長産業化支援機構（A-FIVE）は，官民ファンドとして，6次産業化事業体に対し，銀行等が設立したサブファンドを通じた間接出資や，直接出資·融資（資本性劣後ローン）により支援を実施している。ファンドの出資対象は，農林漁業者等を主たる出資者として，加工·流通等のノウハウ等を有するパートナー企業（2次·3次事業体）が資本参画することで形成される合弁事業体等（6次産業化事業体）。平成29（2017）年2月14日時点，49のサブファンドへ総額700億円（うちA-FIVE 分350億円）を支援決定し，6次産業化事業体への出資決定件数は109 件，出資決定額は82億円（A-FIVEによる直接出資を含む）に上る（1回）。出資決定件数の対象農林水産物別の内訳は，園芸作物等36件（33.0%），畜産物27件（24.8%），水産物15件（13.8%）となっている。