ICTによる遠隔監視·自動捕獲システム: 4年間で550頭のシカを捕獲

摘要

野生動物による農林業被害は各地で対策が進められ，被害軽減の成果が出ている地域もある一方で，被害が深刻化，広域化している地域も数多くみられます。また，高齢化や過疎化が進み，捕獲や被害対策の担い手も減少する傾向にあり，新たな担い手の負担を軽減する省力的な捕獲技術等が必要とされています。このような課題に対し，獣を捕獲する檻での効率的な捕獲方法として，農林水産省の「革新的技術開発·緊急展開事業（うち地域戦略プロジェクト）」により，兵庫県立大学，鳥羽商船高等専門学校，三重県農業研究所と共同で，獣の檻への侵入や餌付状態をスマホやパソコンから遠隔監視や各ユーザー同士が共有したり，遠隔捕獲や自動捕獲が可能な技術を開発しました。㈱アイエスイーはこのシステムをICTによる大型檻·罠の遠隔監視·自動捕獲システム「ロボットまるみえホカクン」として商品化し，全国への普及を進めています。