奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科：生体適合性物質科学講座

摘要

奈良先端科学技術大学院大学（以下NAISTと略す）は，京都駅から近鉄京都線急行に35分間乗り，高の原で降車後，バスまたはタクシーで約20分の関西学研都市南端で，古都奈良の北西約10kmに位置する大学院大学である．NAISTは1991年8月に学部を置かない国立の大学院大学としてスタートし，1991年10月に情報科学研究科，1992年4月にバイオサイエンス研究科，1996年5月に物質創成科学研究科が設置され，各々設置約2年後に博士前期課程第1期生の受け入れが開始された．NAISTの目的は最先端の研究を推進するとともに，その成果に基づく高度な教育により人材を養成し，科学技術の進歩と社会の発展に寄与することで，その理念は①先端科学技術分野に係わる高度な研究の推進，②国際社会で指導的な役割を果たす研究者の養成，③社会·経済を支える高度な専門性を持った人材の養成，④社会の発展や文化の創造に向けた学外との密接な連携·協力の推進である．NAISTの認知度はやや低いが，平成14年度に情報·電気·電子及び生命科学の2分野が21世紀COEプログラムの研究教育拠点として，平成17年度には魅力ある大学院教育イニシアティブに採択されている．平成14年度にスタートした文部科学省の知的クラスター創成事業に関西文化学術研究都市地域が採択され，NAISTはその中核研究機関としての役割を担い，さらに大学知的財産本部整備事業が最高ランクAの評価を受けるなど，大学の理念に沿って産学連携も非常に活発に行われている．NAISTは教官数の学生数に対する比率が比較的高く（一講座（教授·助教授·助手2名）あたり一学年約8人，最新の実験設備のほか，電子図書館もあり，情報機器も豊富で，新しく広々したスペースで，学内に学生宿舎も充実し，24時間心行くまで研究や勉強に打ち込め，その卓越した研究環境は他にないと言っても過言ではない．