シリコーン共重合PCによるPCアロイの難燃化

摘要

ポリエステルやポリアミドのようにPCと反応し，最大減量温度が低下するPCアロイは，難燃性の低下が著しい．一方，ABSやPPのようにPCと反応せずPC自体の熱分解挙動に影響が少ないPCアロイでは，ABSやPPがPCより早く分解するため，難燃性は低下するものの，難燃性の低下はより少ない．PC-PDMSブロック共重合体における難燃性は，タルク添加によりABSの熱分解をPCに近づけることで，PC/ABSアロイに対しても発現し，高い難燃材料を得ることが可能である．PC-PDMSブロック共重合体は，PCアロイにおいても，PDMSがPC中に多く微分散しており，難燃化に効果的な形態になっていると考えられる．PCアロイにおいて，分解ピークが1つとなるような熱分解挙動の場合，一般PC同様に，最大減量速度が低く，最大減量温度が高くなると，LOIが増大する．熱分解挙動を制御することにより，PCアロイでも難燃性を増大させることが可能である．