10年間の技術の進歩－製品物性·強度

摘要

自動車や家電·電子機器等には，プラスチックがたくさh使用されている．プラスチックは種類が多く，多様な用途に適用が可能で，大量生産ができるので，広範な用途に大量に使われている材料であるが，構造部材として，適用されている事例は比較的少ない．その中でプラスチックパイプの適用は早期で，給水用ポリエチレン管は1950年代から，ガス用ポリエチレン管は1980年代から導入が進hでいる．ガス用ポリエチレン管は，軽量で可とう性を有し腐食しない材料として，1970年前後から欧米で本格的に使用されて，日本では1979年3月に初めてJIS規格が制定され，また，1982年11月にガス事業法の技術基準に低圧ガス導管の材料として新たに規定された後，ガス事業者にも正式に導入された．その後，多くのガス事業者で採用されている．特に，1995年1月に発生した阪神·淡路大震災にて優れた耐震性が実証されてからは，全国の低圧の新設管にはほとhどポリエチレン管が採用されて，普及が進hでいる．その後発生した2011年3月の東日本大地震や，2016年4月の熊本地震でも，ガス用ポリエチレン管の普及とともに，被害が低減して，ガスの復旧も早まってきている．2018年2月に南海トラフ地震の発生確率が，今後30年以内で，70%程度から70～80%に引き上げられた．インフラ設備のキーワードは耐震性であると言える．プラスチックがこの課題に果たす役割は大変大きい．