樹脂·金属一体成形部品の高温高湿耐久性について

摘要

部品製造後の初期状態においては十分な接合性能が得られたとしても，長期間の使用中に極端に性能が低下するようなことがあってはならない．また，どのようなメカニズムで接合性能の低下が起きるか，どのような評価試験を行えばその低下状態を予測できるかといったことを確認していかなければならない．接合界面の耐久性において理想の状態は，破壊時に界面ではなく，接合された素材が破壊すること（母材破壊）である．この場合，一体成形部品の設計にあたって，既知である素材の耐久性だけを検討すればよいことになる．本稿では樹脂·金属接合技術によって製造された一体成形部品の接合状態を加速劣化させることにより，どのようなメカニズムによって部品強度が低下していくかについて解説する．