沿岸海域の環境を守る －横浜市漁協柴支所の取組み－

摘要

沿岸域は多様な利用がなされる一方、過度な利用による環境機能の低下や利用の編操による非効率利用などが課題となっている。沿岸域資源の効率的な利用にむけた統合的管理については、行政、学会、有識者等から様々な提言が発表され、2007年に成立した海洋基本法のもと一元管理体制が動き出す中、沿岸域をめぐる管理のあり方や日常的な管理主体のあり方を模索する重要性が高まってきている。　本稿では、高度経済成長期の沿岸域の開発要請により漁業権を放棄した後もなお漁業を営み、地先海域の監視役として活動を続ける横浜市漁協柴支所を訪ね、沿岸海域の環境管理における漁業者の役割と可能性について考えてみた。