第4回事故防止のグループ·ダイナミックス事故を誘発する悪魔の法則

摘要

グループ·ダイナミックスの領域では、人間集団で起きるさまざまな現象に共通して働いている要因を発見することが重視される。 組織が異なれば、目に見える事故やミスの現れ方は違ってくる。 しかし、その原因を追及していくと、そこには人間集団に共通した問題点の存在が明らかになる。 数年前、総合病院で患者を取り違えて手術をするという事故が起きた。 その年の夏には、中州でキャンプをしていた人たちが、大雨で増水した川に流された。 この事故では13名の命が失われている。 さらに、違法な手順でウラン燃料を加工したため、前代未聞の臨界事故が引き起こされたこともある。 この事故では2人が亡くなった。 ここで挙げた3つの事故現場は、「病院」「キャンプ地」「原子力関連施設」である。 当然のことながら、それぞれの組織も構成員もまったく違っている。 それらの間には、深刻な専政を起こしたこと以外、何の関係もないように見える。 しかし、グループ·ダイナミックスの視点から見ると、いずれの事故にも共通する疑問点が浮かび上がってくる。 3つの集団には、「言いたいことが言えない」「言いたいことを言っても聞いてもらえない」という状況があったのではないか。