ICTを基盤とした遠隔計測·制御システムと農業への活用計画

摘要

図1に本研究の実験フィールドである沖縄県うるま市津堅島に構築する農業用自然エネルギーシステム全体の概要を示す．本システムは，風力発電システムと太陽光発電システムから構成されるハイブリッド発電システム，気象情報やハイブリッド発電システムの運転情報を観測するためのインターネットサーバーと気象観測装置から構成されるデータ計測システム，実験施設の地下に存在する淡水レンズを農業に活用するための地下水活用システムから構成される．インターネットサーバーは長距離無線LANネットワークを利用して，インターネットから遠隔監視·操作が可能である．また，データ観測システムや地下水活用システムが必要とする電力はハイブリッド発電システムから供給される．本稿では，農業用水確保のための淡水レンズの利用，津堅島実験施設に構築した自然エネルギー活用型農業用独立型ハイブリッド発電システムの概要，遠隔計測制御系のための長距離無線LANネットワークの構成，これを利用した運転データの取得，さらには，強風時の自動停止を行う自律制御システムについて報告する．