注目の新素材「セルロースナノ ファイバー」の特集に寄せて

摘要

1990年代、京都大学の矢野浩之教授のグループが、 木材セルロースをナノオーダーまで解した超微細繊維に よる新素材「セルロースナノファイバー（CNF)」を開 発した。これまでも、セルロースは八°ルプにすることで ミクロンオーダーの繊維として紙の原料となったり、溶剤に溶かして繊維材料やプラスチックとして利用されて いた。しかし、CNFはその強度が鋼鉄の約5倍、質量 は1/5、熱膨張はガラスの1/50といった驚異的な性能 を持っため、さらに幅広い活用が期待されている。CNF の誕生は我が国発の技術として炭素繊維や力一ポンナノ チューブに匹敵するものであり、現在では製品化に向け て世界中で閧発競争が繰り広げられている。