奈良県における菌根性きのこの栽±咅研究につい一ホンシメジ、バカマツタケの栽培について一

摘要

「匂い松茸味占地（においまつたけあじしめじ)」と古 くから言い表されるよう、マツタケとホンシメジは日本 人に親しまれているきのこです。そのため古くから栽培 方法の開発に対する、強い要望があります。このうちホ ンシメジに閱しては、純粋培養による子実体（きのこ）の発生（Ohta 1994a, 1994b)や、宿主植物への共生 と子実体発生（Kawai 1997)、林地接種による子実体 発生（研報）の技術が開発されてきました。しかし、マ ッタケに関しては、純粋培養はもちろh、人工的に林地 に子実体を発生させる技術はまだ開発されていませh。 ところで、マツタケに色、形などが似ているきのこ（マ ッタケの近緣種）が日本には数種類知られています（小 JII1978)。一昨年林地栽培に成功したパカマツタケも そうしたマツタケ近縁種の一つです。マツタケは、秋に ァカマツ林などの針葉樹林に生えますが、パカマツタケ は、夏から初秋にかけてコナラ、ミズナラ、ァラカシ、 ゥパメガシ、マテパシィなどの広葉樹林に発生する食用 きのこで、色、形ともマツタケに酷似しています。また、 マツタケよりもやや小ぶりで、肉質もやや柔らかいので すが、マツタケに似た強い香りを放ちます。このため、 きのこに詳しい人でなければ、マツタケと見分けること は極めて困難です。マツタケとは食感や香りが多少異な りますが、おいしいきのこですので、マツタケと同様な 利用法が期待できます。