疲労骨折の単純X線写真とMRI一悪性骨腫瘍との鑑別に重要な所見一

摘要

【目的】スポーツなど反復運動のエピソードがなく疲労骨折を発症する例があり，骨腫瘍 などとの鑑別に苦慮することがある.今回，当院へ紹介された疲労骨折における画像的特徴について検討した.【対象】2012年4月から2016年5月までに当院へ紹介された疲労骨折は9例(大腿骨4 例，脛骨4例，腓骨1例）であった.反復運動のエピソードがあった症例は1例のみで，その他は 特に誘因は認められなかつた.紹介理由は疲労骨折疑い1例，骨腫瘍疑い8例であった.【結果】全 例で繰り返しの単純X線写真において骨膜仮骨の増加が見られ，疲労骨折と診断された.MRIで は全例で境界不明暸な髄内変化と均一で連続性のある骨膜反応が見られた.【考察】ェピソ一ドなど 疲労骨折として典型例であれば診断は比較的容易であるが，そうでない場合，骨腫瘍などとの鑑別 が困難な場合がある.単純X線写真, MRIの特徴を捉え疲労骨折と診断する必要がある.