乳児股関節超音波画像(Graf 法)での験者間認識差

摘要

要旨【背景】超音波検査は，詳細に股関節の状態を把握することができ，X線被曝がない点 からも診断道具としては最適である.Graf 法は腸骨下端および関節唇が描出され，腸骨壁が垂直で ある画像をStandard Planeと定義し，それを使用して芷常股関節であるか否かを判断する.【目的】 Graf法でのStandard Planeの解釈が，現在2次検診を担当している小児整形外科専門医の間で一 致するか否かを検討した.【方法】開排制限の精査目的で紹介された3か月の女児から得られたGraf 法で撮影されたA，Bの2画像を提示し，どちらをStandard Planeとして採用するか，アンケ一ト を実施した.2012?2014年に，乳児股関節健診に関する学会発表を行っている10名から回答を得 た.【結果】A :3名.B ： 3名.A， B共に Standard Planeではないと判断，4名であった.【結論】 Graf 法でのStandard Planeの解釈は，小児整形外科専門医の間でも違いがある.