90GHz帯滑走路異物監視用レーダーシステムにおける検知物のRCSシミュレーション－RoFとミリ波を用いた新しい電波システム

摘要

軍用技術として開発がスタートしたレーダー技術は自動車衝突防止などを代表例として社会の様々な分野で活用が進hでいる。利用する周波数帯がミリ波帯域になり波長が短くなると共に検知できる物体のサイズも小さくなり、様々なインフラ応用を指向した有効活用の検討が進hでいる。頻繁に離着陸が行われる、大規模空港では、先行機体から落下した金属異物の影響で滑走路が一時的に閉鎖されることがある。このため小さな金属異物を検知できる滑走路監視システムの需要が世界中で高まっている。ミリ波帯レーダーでは、カバーエリアを拡げるには放射電力を大きくせざるを得ない一方で、高出力のミリ波信号の発生·増幅は高コスト化の一因となる。我々は酸素の吸収減衰が比較的小さな90GHz帯のミリ波とRoF技術の組み合わせにより、高い空間分解能で広いカバーエリアを実現できるシステムの検討を進めている。本報告では滑走路異物検知システム開発の背景、システムの構成、空港滑走路での検知評価試験の概要などを報告したのち、RoFとの組み合わせによるMultistatic レーダーシステムの可能性を示したうで、標準検知物体の電磁界解析によるRCS（レーダー散乱断面積）の計算結果を紹介する。