免疫グロブリンの体細胞高頻度突然変異とserine/arginine-rich protein splicing factor (SRSF)

摘要

末梢リンパ組織内において，抗原刺激を受けたB細胞は，瀘胞ヘルパーT細胞や濾胞樹状細 胞とともに，胚中心を形成する.胚中心では， 体細胞高頻度突然変異(somatic hypermutation ； SHM),クフススィツナ(class switch recombination ；CSR)による抗体の多様化と，高親和性ク ローンの選択により，効率よく高親和性抗体が 産み出される（抗体の親和性成熟).抗体分子を コードする免疫グロプリン遺伝子の多様化には， DNA中のシチジンの脱ァミノ化反応を触媒する activation-induced cytidine deaminase (AID)が必 須であり，AIDによる脱ァミノ化反応が引き金と なりさまざまなプロセスを経て，SHMとCSRが 達成される.現在，AID自身に免疫グロブリン遺 伝子への標的能力はないとされており，AIDがい かにして免疫グロプリン遺伝子特異的に作用し ているのかについては，いまだ完全には解明されておらず活発に研究がなされている.