ウミホタル

摘要

"発光する生物を挙げなさいけを言われたら，あなたは何を思い浮かべるだろう．"細胞工学"愛読者諸氏ならば，レポーター·アツセイで知られるホタルやオワンクラゲなどが真っ先に挙がるに違いない．ホタルイカやツキヨタケなども知名度が高いが，さすがにヒカリウミウシやヒカリボヤまで思いつく人は稀だろう．実は発光生物の種類はたいへh多く，動物界に限っても300種以上に及ぶ．そして，進化の過程で生物は，この発光する形質を30回以上も獲得してきたと考えられているのである．''生物発光"というこの非常に特殊とも思える形質が，どうして独立に何度も何度も生物進化の歴史の中で出現しえたのだろう．僕にはそれがとても不思議だった．そういうわけで我々は現在，この"発光生物の進化"を解き明かすために様々なアプローチを試みている．そこで選hだ実験生物の1つが，ここに御紹介するウである．