カルシニューリン（PP2B）の恒常的活性化機構と神経細胞死制御：カルシニューリンとカルパインのクロストーク

摘要

プロテインホスファターゼカルシニューリン（別名PP2B）とタンパク質分解酵素カルパインはいずれもCa2＋依存性に調節され，Ca2＋によって伝達される細胞内バイオシグナルネットワークの開始点に位置している．これらは神経細胞死などで重要な働きをするとされてきたものの，これまでは互いに独立した系であると考えられてきた．最近，興奮性神経細胞死やリンパ球のアポトーシス制御においてこの2つのバイオシグナルネットワークのクロストークが存在し，これが重要な働きをすることがわかってきた．