やさしさ難しさで人工知能のテーマの一覧表をつくってみると

摘要

パターン認識を含む広い意味での人工知能には多くの研究テーマがある．しかし，これらのテーマに含まれる中心的な問題を解くことの難しさについては漠然としか考えられていない．ここでは，そのテーマに含まれる中心的な問題を解くことのやさしさ，難しさを，情報表現の変換による知的内容の獲得量という側面から評価してみたい．なぜそのようなことをするかというと，人工知能には，見掛け上の難しさと本質的な難しさが明示的でない場合が多く，分野が少し経れただけでもそれの判断がつきにくくなると思えるからである．また，自分でもどの程度に難しい問題をやっているかが自覚できないということもあるし，教師が学生にやってみないかとテーマを示唆するときも目安がないことになる．通常，研究活動では，方式ヤアルゴリズムの新しいものを提案することによる，機能の新規性，計算量の低減，ロバスト性の向上，認識率の向上，適用範囲の向上，理論限界の解明などを主張することになる．しかし，それらの評価は，狭い分野の内の人の間でしか評価されない場合も多いのではないだろうか？