代謝の痕跡か？代謝を制御するメカニズムか？—細菌におけるタンパク質のアシル化修飾

摘要

DNAに書き込まれた遺伝情報は，転写?翻訳を経てタンパ ク質として発現する.翻訳されたばかりのタンパク質はなhら かの修飾を受けて，機能をもつようになる.この「翻訳後修飾」 がいつ，どの部位で起こるかの情報はゲノムに書き込まれてい ないため，その全体像はよくわかっていない.しかし，翻訳後修飾の異常が疾患にかかわるなど，その理解の重要性は高まっている.また近年のゲノムワイドな研究から，遺伝子発現量の変化だけでは十分説明できない代謝変化が見いだされており，代謝制御における飜訳後修飾の重要性が指摘されている.