日本産エビ類の分類と生態 (181)

摘要

ナカエビンャコ 属 (Mesocrangon) も Zarenkov により創設された3種を含むだけの小さな属である,形態的な特徴としては甲殻が特別に硬くなく,頭胸甲正中線と肝上棘との間の側面に1棘または2棘がある。さらに腹節の側面がほぼ平滑であり,第6節の後側角が側方に広がらない。また第2歩脚が退化したり,短くなったりせず,先端に小さなはさみがあることなどである。幼生はプランクトンとして出現し,ひじょうに大型であることも特徴の1つである。寒帯域に生息するので,中国や韓国からの記録はない。日本海では北部の大陸側で知られているが,日本近海では太平洋側から1種が報告されているだけである(表12)。