流体モデルによるサケ稚魚の回遊シミユレーシヨン

摘要

日本ではサケ(Oncorhynchus keta)は降海した年の夏季にオホーツク海に人り，その後北太平洋およびべ一リング海で1?1年回遊生活してから，母川に回帰することが知られている。沿岸域ですごす生活期は減耗が非常に大きく，ここでり生き残りがその後の冏帰量を左れすると考えられてる。入江はサヶの稚魚分布調杏から，降海した稚魚は沿岸に移動し，低温?低塩分を好み，適水温9~13°Cを選択することをボした。また，東北太书洋から放流されたサヶの稚魚は5月下旬に青森の太平洋沿岸を北上し，6月上旬?下旬に東北沿岸を離れ北卜遊して北海道日高湾からえりも岬付近の陸地に近づき，7月上旬から中旬ごろに日高湾から岸にかけての道東沿岸ぞに回遊すると推定した。近年，サヶの稚热の订石温度標識の解析結果から，本州の岩手，秋田や北海迫東部(道東)の河川から放流された稚魚が，初夏には北海迫太平洋沿岸の日高湾に分布していることが明らかになってきた。秋田から放流された稚魚はその沿岸を流れる対馬暖流?津軽暖流に，岩手から放流された稚魚は津軽暖流親潮に，道東から放流された稚魚は沿岸親潮·親潮にそれぞれ影を受けると推測される。ところが，これら3つの地域から放流された稚魚の日高湾への回遊経路とそれを決定する要因は明らかになっていない。そこで，流体モデル（海洋物理モデル）で動するサヶ稚魚问遊モデルを用て，さまざまな条作下で稚魚の回遊ル一トをシミュレーションし，東北沿岸ゃ道東沿岸から北海道太平洋沿岸への回遊を可能とする要因を推定した。