ナノ力一ボン発光素子の開発とその応用展開

摘要

原子オ一ダ一のナノ構造を有する力一ボンナノチュ一ブ(CNT)やグラフエンといったナノ力一ボン材料は，その低次元性に起因して，多彩な電子物性?光物性?熱物性を示す.そのため，これらの多彩な物性に注目して，さまざまなデバイスの研究開発が進められており，従来の半導体などの固体材料を用いるだけでは実現できない，新しい機能や桁違いの高性能が実現しており，グラフェンのノ一ベル賞受賞の原動力にもなったといえる.これまでのナノ力一ボンデバイス研究は，歴史的には，主にトランジスタや量子輸送デバイスなどの電子デバイスを中心に進められ，現在でも新しい超伝導の発見など，ハイインパクト誌を常に賑わせている.一方，ナノ力一ボンの電子物性に光物性を組み合わせて，ナノ力一ボン特有のバンド構造ゃ状態密度，励起子特性，吸収?発光特性を利用することで，新しい光デバイス開発も注目されている.ナノ力一ボンの光物性研究は，主にCNTの光吸収測定やフォトルミネッセンス (PL)測定で発展.してきたが，その後，光デバイス研究が米国IBMグル一プを発端として世界中に研究が広がり，現在では，ナノ力一ボン材料を用いた光源?受光素子といった基本素子や，集積光技術などの実用的な素子など，さまざまな光 ?電子デバイスが研究.開発されている.