二次遅れ系プロセスの動特性とPID制御⑵

摘要

前回（第20回）にて，2段タライの湯温変化を例題として「二次遅れ系プロセスの動特性」を紹介した.各タライ出口の湯温は熱容量があるので，すぐには変化せず特に第2段タライ出口の湯温はS字状に時間変化することが分かった.今回（第21回)は，この第2段タライ出口温度を対象に「二次遅れ系プロセスの制御」について考えてみよう.つまり，注入温度T_(in)を操作して第2段タライの出口温度を目標温度にできるだけ早く到達させて，かつ一定に維持させるという目的である.図79のように浴室にて，当初20 [で]の第2段タライの出口温度のみを測定して，手動によるレバー操作にて例えば40 [°C]に早急に移行させて維持しようとトライしても予想外に難渋し，容易なことではない.