小繰り返し地震解析による宮城·福島県沖プレート境界の準静的すべり

摘要

宮城·福島県沖には，太平洋プレートが日本海溝から約8～9cm／yrの速度で沈み込hでいる[DeMEts et al. (1990, 1994)]．沈み込む太平洋プレートは日本海説から約140kmの地点までは100程度と非常に低角で陸の地殻に接しており，それより西では約270とやや高角になり陸のマントルと接していると推定されている［Umino et al.（1995），Watanabeetal．（2005）］．このうち，宮城県沖では，1978年宮城県沖地震（M 7.4）を含め，1835年以降にM7.3～M735程度の地震が5回発生していたことが知られている［地震調査研究推進本部地震調査委見会（2000）］．2005年8月16日に発生した且オ7．2の宮城県沖の地震は，これらよりひとまわり小さく，太平洋プレートの沈み込み角が278の部分で発生したと考えられる［Watanabe et al.（2005）］．またこの地震は，1978年の宮城県沖地震のすべり域の一部を破壊したものと推定されている［Okada et al.（2005），Yaginuma et al.（2006）].