固体高分子形燃料電池用カソード触媒の研究開発

摘要

固体高分子形燃料電池（Polymer Electrolyte Fuel Cell：PEFC）は、室温あるいは氷点下から起動可能で、小型軽量、高出力密度化が期待できるため、定置用コージェネレーション（熟電併産）システムや燃料電池自動車（FCV）に応用できる。家庭用燃料電池エネファームは2009年に日本で市販が始まり、2012年度には累計4万台を超える見込みである。FCVは2015年の一般ユーザーへの普及開始を目指している。これらの広範な普及に向けた最も重要な課題は、性能と耐久性を向上させつつ低コスト化することである。本稿では、PEFC用カソード触媒の研究開発状況について、筆者らの研究成果を中心に紹介する。また、これらの結果を踏まえて活性·耐久性評価法について提言する。