燃料電池の移動体への応用東京海洋大学における燃料電池船舶の研究開発について

摘要

現在の環境問題は地球温暖化、大気汚染であり、エネルギー問題は石油の枯渇と言われている。キーワードは脱石油であり自動車業界ではHEV（Hybrid Electric Vehicle）、PHEV（Plug－in HEV）、EV（Electric vehicle）と取り組み、更に燃料電池を搭載したFCV（Fuel Cell Vehicle）へと進hでいる。船舶における環境問題対策としては、国際条約に基づき船舶から排出されるNOx及びSOx·PMに係る排ガス規制、CO2に係る温暖化ガス規制が順次進められており、規制対応技術の開発や燃料転換が行われている。船舶においてもゼロエミッションの発電システムである水素燃料電池は、温暖化ガス規制、排ガス規制に対する新たな方式として期待されているが、国内では実用段階になっている船舶はまだなく安全に関する規則も確立できていない。本稿では、東京海洋大学で開発し研究を続けている電池推進船と水素燃料電池船への展開について紹介する。