合金及び純金属の平板鋳物の凝固指向性に対する端部·押湯効果の数値解析による検討

摘要

鋳造設計において，指向性凝固は，鋳物の健全性を向上させるため原則となる概念である．指向性凝固の実現には，製品部への肉厚勾配の付加，冷し金の使用，押湯の設置，押湯の加熱·保温などの方策が用いられる1）．しかしこれらには，形状自由度の制限や材料歩留りの低下，生産工程の増加などの悪影響が付随することも少なくない．したがって，これらの方策を過剰に実施することなく，効率の良い指向性凝固を実現可能な鋳造設計が重要となる．指向性凝固の指標の一つに，平板鋳物や棒状鋳物の健全範囲を示す端部（冷却）効果範囲があり，種々の合金における値が実験により調査されてきた1～5）．