磁気測定器とその実用標準について＜磁界および磁束測定器と使用する標準器の原理を中心に＞

摘要

磁気測定は、磁界の強さと磁束の測定、および磁性材料の磁気特性に関する測定に分類できる。 このうち磁界および磁束の測定は標準磁界などのトレーサビリティにつながる重要なものを含hでおり、物理現象を利用する量子標準の導入や電子回路技術などを利用した精密測定が行われている。 平成5年の計量法改正により、磁気測定で取り扱う単位はすべてSI単位に統一されているが、産業界で使用されている測定器にはそれまでのcgs単位で表記されたものも出回っている。 磁気測定に関係するSI単位とcgs単位の関係は10の整数乗倍で換算できないものもあり、磁気測定が他の電気量の測定とは異なり複雑なものとなっている。 本稿では、磁界および磁束測定器の原理、並びにその測定器を校正するための標準器について概説する。