自動車用の新しい熱延ハイテン

摘要

19世紀の終わりに発明された自動車は急速な発展をとげており，我々の日常生活になぐてはならない存在となっている．現在，地球上には約7億台の自動車が存在しているが，その急速な普及により地球環境との調和への関わりも大きくなっており，地球規模での環境問題への関心の高まりとともにその影響は非常に大きくなっている．地球環境保護のため，自動車の燃費向上によるCO{sub}2ガス排出量抑制への要求は世界的に高ま、つており，これに対し自動車産業ではハイブリッドカ式，燃料電池方式等による新しい駆動方法の開発とともに車体の軽量化が進められている．一方，乗員の安全性向上を目的どする衝突安全性に対する要求も年々高くなっており，法的規制が世界的に強化されつつある．一般に衝突安全性の向上は車体を構成する部材の板厚の増加や補強部材の増強を招くことから車体軽量化の要求とは相反する場合が多い．よって車体の軽量化と安全性向上を両立させる技術開発が自動車産業では重要な課題のひとつとなっている．