触媒担持高反応性コークスの反応後強度

摘要

触媒担持高反応性コークスを対象とし，反応率，反応時間，反応温度の三つのパラメーターのうち二つを固定した条件で反応させたコークスの反応後耐衝撃粉化特性についての検討を行い，以下の結論を得た。 （1）触媒担持高反応性コークスは，反応温度の低温化により反応様式が均一反応に近づき塊内半径方向のガス化率勾配が小さくなるが，乾留後触媒担持法ではこの変化が反応後耐衝撃粉化性を向上させる方向に作用する一方で，触媒事前混合法では低下させる方向に作用する。適切な触媒担持方法選択により，反応様式を均一反応に近づけて反応後耐衝撃粉化性を向上させられる可能性がある。（2）実高炉に近い条件（反応率·反応温度一定または反応率·反応時間一定条件）で反応させた場合，乾留後触媒担持コークスの反応後耐衝撃粉化性は通常コークスと同等かそれ以上になる場合がある。（3）触媒種類，把持方法により反応後コークスの塊内気孔率分布は大きく異なり,結果として反応後耐衝撃粉化性に大きな影響を及ぼす。 以上のように，触媒種類，担持方法の適切な選択により触媒担持高反応性コークスは通常コークスレベル以上の反応後耐衝撃粉化性を示す事が示唆された。今後，高炉内反応シミュレーターを用い触媒担持高反応性コークスの熱保存帯温度低下効果についての検討を行う予定である。