産業機械における油圧技術の紹介

摘要

油圧は，空圧，電動と並び機械や装置の動きを司る駆動方式の一種であり，油圧技術は水圧を起源としている。水圧の利用は非常に古くから始まり，18世紀後半～19世紀後半の産業革命の時代まで続き，その後，内燃機関，電動機の発明を経て水圧から油圧へ変換していった。そして，本格的な油圧機器が世の中で使われるようになったのは20世紀に入ってからである。近年は，生産機械やその駆動方式にも環境融和性が求められ，クリーンで安全な水圧が再び注目されているが，やはり現時点で使用量的にも油圧が他の液圧方式を凌駕している。その後の油圧は自動化，エレクトロニクス化を経て，環境対応，省エネと続く。特にエレクトロニクス技術を取り入れることにより高付加価値（高応答，高精度）の製品が市場に浸透していくことになった。同時に環境対応，省エネの関心も高まり，油圧機器においてもハイブリッド化による省エネ化が進行した。ハイブリッド化については，空圧，油圧，機械，電気の各方式の特徴を把握し，それらを組み合わせて最も効率的な駆動方式，即ちハイブリッド化が進行した。