組織を機能させるために: 改めて考えるエネルギー管理とは

摘要

省エネ推進体制を作ったもののうまく機能せず，形骸化するケースを数多く目にする。総論で鈴木教授が指摘するように「高らかな目標」「高い目標に基づく綿密な計画」「きっちり管理しようとする」といった点に，うまくいかない原因があるのではないだろうか。省エネは小さな目標の積み重ねであり，その継続的な取り組みが何より重要であることから，目標を単純化し，取り組みの一つひとつをシンプルにし，誰にもわかりやすく，誰もが取り組みやすいエネルギー管理手法とすべきであり，これを可能とする組織でなければならない。このためにはエネルギー管理に関する基本的な考え方を組織全員，特に経営者や管理責任者が認識していることが大切である。すでに省エネ法における特定事業者となっている方々にとってはいささか常識的な事項かもしれないが，あらためてエネルギー管理の基本として，管理フローや実態の把握，管理標準の重要性などを見直すきっかけとしていただきたい。