肺癌と鑑別を要したplacental transmogrificationの1例

摘要

Placental transmogrification of the lung (PTL)は非常に稀な肺の嚢胞性病変として，現在までに世界 で38症例が報告されている.今回，肺癌との鑑別を要し手術標本で診断を確定したPTL症例を経験したので 報告する.画像検査で嚢胞性病変と脂肪が豊富な結節を認めた場合にはPTLを積極的に疑うべきと考えられた.Placental transmogrification of the lung (PTL)は非 常に稀な肺の嚢胞性病変として，現在までに世界で38症 例が報告されている.今回，肺癌との鑑別を要し手術 標本で診断を確定したPTL症例を経験したので報告す る.症例は66歳男性で胸部異常陰影の精査目的に当院へ 紹介となった.胸部CTでは左肺尖部に最大径3.5cmの 腫瘤影を認め，最終的に胸腔鏡補助下左上葉部分切除術 で診断に至った.予後良好な疾患であるが，今後の症例蓄積のため重要な疾患と考えられたため報告する.