化石代替燃料の使用がセメント製造工程·品質に及ぼす影響についての概論

摘要

化石代替燃料と一概に言っても，それらの発熱量·粒 径·水分·灰分等の物性は様々である。本論文では，化石燃料と代替燃料との諸物性の違いがセメント製造設備·運転·品質に及ぼす影響を概説する。代替燃料の投入位置は，仮焼炉·窯尻·キルンパーナのいずれかが一般的である。化石燃料に比べて発熱量が低く，含水率が高い代替燃料をキルンパーナから投入する場合は，熱量不足やフレーム温度低下により，クリンカ焼成度が低下することが懸念される。また，代替燃料の粒度がばらばらな場合，それぞれの粒子の燃焼速度が異なるため，最高温度が低く保持時間が長い"奥焼き"傾向となり，クリン力の焼き締まりに影響を与える。