古代青銅鏡の鏡面から取得した金属粗描画優による非破壊定量分析

摘要

青銅鏡の製作は、新石器時代の終り（19cB．C．頃）には、すでに中国で始められており、戦国時代中期（4c．B．C．半ば～3c.B.C．初頭）に本格化、漠代に絶頂期を迎えつつ、唐代にまでその隆盛が続いたとされる．日本では、福岡県春日市の須玖タカウタ遺跡より出土した2cB．C．頃のものとみられる青銅鏡鋳型の破片が日本最古である可能性があると発表されており2）、弥生時代中期には国内での青銅鏡製作がされていたと考えられる．青銅鏡はその形状や鏡背面の文様などから、数多くの種類に分類され、三角縁神獣鏡など大陸との関係を類推するための貴重な根拠となる重要な資料も数多くあることから、研究者の関心が高い古代青銅器遺物である．こうした青銅鏡への関心から、その考古学的調査のみならず、一部は科学的な調査も進められてきた．