洗淨?置換血小板の特徴と適応

摘要

血小板輸血によって1?5%に蓴麻疹などのアレルギー症状が出現し，約1万回に1回の頻度でアナフィラキシ一 反応が生じる.このァレルギ一性輸血副反応（allergic transfusion reaction ； ATR)の発症には血漿因子の関与が大 きく ，その予防に洗浄血小板（washed-platelet concentrates ； W-PC)が有効であることは疑う余地がない.本邦で は，院内調製されたW-PCが1990年代前半から一部の医療機関で臨床使用されていたが，2016年9月に洗浄血小板 「日赤」の供給が開始され，すべての医療機関で高品質のW-PCが使用可能となった.国外では，血漿成分を大部分 除去した濃縮血小板製剤（concentrated or plasma reduced PC ； C-PC)や血漿成分を一部血小板添加液（platelet additive solution ； PAS液）で置き換えた置換血小板製剤（plasma replaced PC ； R-PC)の有効性について臨床的検 討が重ねられており.ァフェレ一シスにPAS液置換操作を組み込hで調製したR-PCせ、一部の国ではすでに標準 製剤として使用されている.洗浄血小板「日赤」はアナフィラキシー反応等の重篤な副反応が観察された場合，および種々の薬剤前投与で予防 が難しい蓴麻疹，発熱，呼吸困難.血圧低下等の副反応が2回以上観察された場合に適応となる.日本赤十字社から の供給が可能となった現在，医療機関ではその適正使用が望まれる.本製剤の供給が開始されて現在まで重篤な有害 事象は報告されていないが，今後さらに同製剤の臨床使用を蓄積し，有害事象のさらなる追跡が望まれる.