洗浄置換液M－SOlを用いた血祭濃度30％の洗浄置換血小板の保存

摘要

わが国の血小板製剤（PC）はアフェレーシスにより調製されており，その有効期間はバクテリア感染の危険性を下げ血小板機能がより良い状態で輸血されるために4日間（英文論文では"3 days"となっているが，これは当該論文の投稿時，PCの有効期限が延長される前であったためである．）とされている．わが国の血液製剤で発生する非溶血性副作用の3分の1以上がPCによるものである．近年，PC中の血祭量を減少させる目的で洗浄置換液の開発がすすめられてきた．PCを洗浄置換液で置換することは，輸血副作用の抑制，有効期間の延長，光不活化処理の効率の上昇に役立つ．RingwaldらはPASIIIMを用いて，血渠濃度30％の洗浄置換血小板をアフェレーシス機器により調製しだ）．この報告は，洗浄置換血小板の調製のためにアフェレーシス機器を利用した，という点を評価できるが，わが国ではPASIIIMが商品として承認されていない．既にわれわれは血渠濃度3％でも血小板横能を長期間維持できる洗浄置換液M－SOlを開発しだ．以下ではM－solを用いた血寮濃度30％の洗浄置換血小板を14日間保存した際の血小板機能の変化について報告する．